iPX社員によるブログ

iPX社員が"社の動向"から"自身の知見や趣味"、"セミナーなどのおすすめ情報"に至るまで幅広い話題を投下していくブログ。社の雰囲気を感じ取っていただけたら幸いです。

「人とくるまのテクノロジー展 2017 名古屋」出展のご報告

iPXの山田です。

6月28日~30日に名古屋で開催された、「人とくるまのテクノロジー展 2017 名古屋」に出展しました。

物体認識のデモ展示について

弊社はコーンズテクノロジー(株)様のブースの一角をお借りして、デモ展示を行ないました。
今回のデモ製作を担当した、弊社の小川と廣崎です。

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今回は、赤外線センサー FLIR Boson®Deep Learningを組み合わせた、一般物体認識のデモを展示しました。

以下、開発者の小川より概要の説明です。



今回のデモ作成を担当した、iPX の小川です。
今回展示したデモの概要を簡単に紹介します。

デモ概要

デモの仕組みは、赤外線センサーのFLIR Boson® が捉えた熱情報を画像として可視化し、その画像に対してDeep Learningを用いて一般物体認識を行うものです。

一般物体認識は、画像から物体の種類とその物体がどの位置にどれ位の大きさで存在するかを推論する仕組みです。

認識モデルは、SSD(Single Shot MultiBox Detector)によってニューラルネットワークを構築しました。
ニューラルネットワークのモデル構築は、学習済みの画像認識モデルであるVGG16に対して転移学習を行ないました。
転移学習に必要となる教師データは、赤外線センサーで取得した画像にアノテーションを付与して作成しました。

SSDの特徴は、比較的軽いモデルでありながら精度が高いので、リアルタイムの物体検知に向いていることです。

またインファレンス(推論)時に使用した実行環境は、自動運転車向けAI車載コンピューターであるNVIDIA® DRIVE™ PX 2を用いています。

教師データには1万枚以上の画像データを用意しました。
これらの画像データに対して、1枚ずつアノテーションを付けていきました。
この作業は、内製ツールを作成して人海戦術で行いました。

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弊社では自動車制御開発、プロセスエンジニアリング、ソフトウェア開発の能力をベースに、Deep LearningやCUDA等、GPUを活用した技術サービスも提供しています。



ご来場いただいた方にも反響が大きく、皆様熱心に聴いていかれました。
ブースにお越しいただきました皆様、誠にありがとうございました。
またこのブログ記事を見てご興味のある方がいらっしゃいましたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。

他ブースを見学した感想

私は入社してまだ日も浅いので、勉強のために他社のブースも見て回りました。
来年のビックサイトで開催されるオートモーティブワールドの出展に際して、自社ブースのデザインを担当するため、各社どういった
展示の見せ方をしているかを意識しながら見学しました。
最新のターボシステムやステアリング、ギアの実物展示の他、解析システムや自動運転などのデモもあり、各社とても分かりやすく印象に残りやすい展示であったように感じます。
ドライブシュミレーションやVRの体験デモもあり、来場者に楽しませながらPRをしようという創意工夫がありました。
私も来年の展示に向けて、今回得た学びを元に、ブースデザインを考えていきたいと思います。

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最新のカーテクノロジーに触れることができ、とても有意義な時間でした。