iPX社員によるブログ

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HONDAのEPS付加制御

まえがき

おそらく4回目あたりの投稿となります高橋です。
今回は、HONDA様の先進技術はどんなものがあるか調べてみました。そのうちステアリングの付加制御として実装されているものを紹介していきたいと思います。

そもそも付加制御とは?

付加制御は、ステアリングの制御の中でパワーステアリングと呼ばれるドライバーの操舵に対するアシストを除いた制御のことを指します。車両の商品性として付加価値をつけるという意味もあります。
パワーステアリングとは、ドライバーが操舵する際にかかるハンドリングの負担(特に低速域)を軽減する機能のことです。電気的制御のパワーステアリングは、エレクトリックパワーステアリングと呼ばれEPSと略されます。

付加制御解説

モーションアダプティブ-EPS

こちらの機能は、アンダーステアオーバーステアなどを検知した際、車両の体勢を立て直すのが楽な方向にアシストする処理が働く。ここで重要なのが、付加制御のアシストでハンドルが動くのではなく、あくまでドライバーが正しい方向にハンドリングできるようアシストするということです。
具体的にどういうアシストが働くかというと、例えば左曲りのカーブにてアンダーステアが発生したとき、一度タイヤをまっすぐにする方向(外側)にアシストが入ります。これによりタイヤの横滑りを解消し、体勢を立て直します。
ちなみにHONDA様が動画付きで以下ページで解説しています。
https://www.honda.co.jp/tech/auto/ma-eps/

オーバーステアアンダーステアは車両のセッティングでどちらが出やすいか決まります。一般にオーバーステアよりもアンダーステアの方が大勢を立て直すのが楽なので、一般車両ではアンダーステアが出やすい方に車両がセッティングされるようです。

直線保舵支援(Straight Driving Assist)

こちらの機能は、カント路と呼ぶ車道の中心が高くなっている直進の道路において、体勢維持に必要な継続した操舵をアシストでカバーします。カント路はなじみのない言葉だと思いますが、そもそも日本ではあまり見られない道路でアメリカのハイウェイなどで見られます。
図1 カント路イメージ
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ドライバー注意力モニター(Driver Attention Monitor)

こちらの機能は、ドライバーのハンドル操作に応じてドライバーの注意力低下を検知し、ドライバーの注意力を示したり休憩を促したりします。
他の付加制御のようにハンドルにアシスト力を加えるような動作はありませんが、ハンドルを用いた振動でドライバーに注意を促します。
ちなみに日本向けで初めて機能が実装された車が販売されています。気になる人は買って確かめてください。
https://www.honda.co.jp/CR-V/webcatalog/performance/active-safety/
CR-V : 378万~

あとがき

今回はHONDA様の先進技術について調べてみましたが、各自動車メーカーは自動車の付加価値を上げるためさまざまな取り組みをしています。
現在ステアリングは電気制御が主流で様々な機能が付与できるようになり、自動運転化において重要な部分にもなります。
このステアリング機構に注目して、各社の比較をしてみるのも面白いかもしれません。