リハビリとは何でしょうか
初めまして。カマタです。
入社してからちょうど半年が経ちました。月日が流れるのは早いですね。
私は異業種からの転職のため、今回は前職のことを紹介したいと思います。
前職は「作業療法士」をしておりました。
皆様、作業療法士をご存知でしょうか???
作業療法士はリハビリを提供する職種の一つです。
リハビリと聞いてもあまりイメージが湧かないと思いますので、
今回のブログでリハビリのイメージを少しでも掴んでいただければと思います。
リハビリと介護の違い??
リハビリは介護のようなイメージを持っている方も多いかもしれません。
たしかに、似ているところはありますが、専門としている業務内容が異なります。
リハビリは「理学療法士」と「作業療法士」と「言語聴覚士」の3職種があり、
いずれも、心身に障害のある対象者の自立、自律した日常生活の獲得を図るために、
機能訓練や代償手段の活用などの指導を行います。
介護福祉士は心身に障害のある対象者が日常生活をスムーズに営めるように、
排泄や入浴などの身の回りの介護を行います。
何となく伝わりますでしょうか。
興味のある方は調べてみてください。
リハビリの職種の違い
さて、リハビリには3職種あると紹介しました。
これらの職種の違いについても一言で書いていきたいと思います。
理学療法士(PT):基本的な動作(寝返り、立ち上がり、歩行など)の獲得を目指します。
作業療法士(OT):日常生活動作(食事、排泄、入浴など)や家事動作などの獲得を目指します。
言語聴覚士(ST):認知機能や嚥下機能の向上や維持を目指します。
専門としている分野が違いますが、対象者の自立、自律した日常生活の獲得のためには、
作業療法士であっても基本的な動作や認知機能、嚥下機能の評価をします。
対象者が座位姿勢を保てるのかが不明な状態で、
「椅子に座って食事の訓練をしましょう!」とはなりません。
もしも、そのような状態で訓練をしていた場合、
インシデント・アクシデントを多発すること間違いありません・・・。
基本的な動作は理学療法士が得意としているため、情報共有しながらアプローチしていきます。
リハビリの職種の違いに関して、何となくでもご理解いただけましたでしょうか。
作業療法士の一日
では、続いてとある病院の作業療法士の一日の流れとリハビリの流れを紹介します。
私は、とある総合病院の急性期脳神経外科チームに所属しておりました。
毎朝必ず行うことは
- 所属している病棟に新規の入院患者さんがいるか確認。
入院患者さんがいる場合、カルテから情報収集し、
医師からリハビリのオーダーがでそうか検討。
リハビリオーダーがでそうな場合、初回介入者となるスタッフを決める。
- リハビリ予定の患者さんの情報収集(7~9人程度)
- 検査などがリハビリ介入時間と重なっている or 医師からリハビリオーダーが出そうな新規の患者さんがいる場合は
リハビリ予定の患者さんの介入時間の変更(何かと制約があり難しい)
患者さんの情報収集とリハビリ介入時間の調整を終え、いよいよ順番に介入していきます。
患者さんに予めリハビリの開始時刻を伝えておき、実際に開始時刻に迎えに行きます。
しかし、突然の検査であったり、談話室で家族や友人と話していたりと
病室におらず行方不明なことが多々あり、探すのが一苦労なときもあります・・・。
基本的に、お昼休憩以外は
リハビリ介入→カルテ記載(5分)+情報共有→リハビリ介入
を繰り返します。例外もありますが、ここでは省略します。
リハビリ介入後は
- 脳神経外科チームでミーティング(病状の変化や日常生活の安静度の変更を報告)
- 次の日のリハビリ介入患者さんのリハビリ介入時刻の調整
- 書類作成
以上が大雑把な一日の流れです。カルテ記載の時間が5分と短く、常に時間との闘いです。
この他にもDr.やNs、MSWとのカンファレンスなど週1や月1で行う業務もあります。
リハビリの流れ
毎朝、新規の入院患者さんがいるか確認すると書きましたが、
Dr.から患者さんのリハビリオーダーが出た場合、リハビリの治療計画を立案していきます。
リハビリの流れは、
- 基本情報の収集
- 初期評価
- 目標設定
- 問題点の抽出
- 治療プログラムの立案
- 再評価
であり、治療期間中、4~6を繰り返します。
最近読んだロジカルシンキングの本にでてくるPDCAサイクルに似ているかもしれません。
患者さんの担当となる理学療法士、作業療法士、言語聴覚士それぞれが初期評価し、
現在の心身機能の状態から、歩行の自立が可能か自立した排泄動作の獲得は可能かなど、
予測を立てたうえで、患者さんやご家族と一緒にリハビリの目標を設定します。
その後は、目標達成に向けて、現状から問題となっている
心身機能や基本動作などを抽出し、訓練していきます。
治療の妥当性を検討するために再評価を繰り返し、
必要に応じて問題点の変更や治療プログラムの立て直しを行います。
リハビリ終了はいつ?
患者さんの生活環境によって求められる能力が異なるため、
病院の環境で日常生活動作を獲得できたからリハビリ終了という訳にはいきません。
数cmの高さの違いにより、座位から立ち上がれなくなることは
よくあります!!!
そのため、実際の生活環境でも安全に動作可能か評価するため、
ご家族見守り下にて外泊を行うことや、実際に家に訪問し動作可能か評価することがあります。
対象者の生活環境でも目標としていた動作を安全に遂行可能となると、
Dr.にリハビリ終了レベルであることを報告し、患者さんの退院日程の調整が進みます。
以上、リハビリの全体的な紹介でした。何となくイメージが湧きましたでしょうか?
最後に
もしも今後リハビリを受ける機会があれば、リハビリの開始時刻には
約束した場所(病室の場合が多い)にいるようにしてください。よろしくお願いいたします。