Modelica Users Conference 2017に参加してきました
EPLU(Engineering Process Leading Unit)の加藤です。
10月27日(金)に、Modelica Users Conference 2017に参加してきました。
http://www.modelon.com/jp/modelica-users-conference-2017-japan/
主催はModelon社ですが、ユーザーカンファレンスという名前の通り、ユーザー事例の発表を中心としたイベントです。
Modelon社のプレゼンテーションに続き、海外や国内のユーザの事例発表が行われました。
当日はModelicaユーザやFMIに関心のある方々が、140名あまり参加していました。
イベントの感想
個人的には、今までなかなか話を聞く機会が無かった、マツダさんの発表を聞くことができたのが良かったです。
Modelica系ツールの多様化
しばらく情報収集しないうちに、Modelicaをサポートするツールが増えていたようです。
そして、同じModelicaという言語をサポートしているにもかかわらず、ツール間の互換性は問題になっているそうです。
各ツールごとに処理方法が違っていたり、サードパーティ製のライブラリのサポート状況が異なるなど、簡単にはツールの置き換えやデータ交換ができないようです。
それぞれのツールごとに特徴があるため、今後もしばらくはデファクトとなるツールは決まらなそうだ、という印象を受けました。
FMIのメリットとデメリット
このようなツール間を橋渡しするために、FMI(Functional Mock-up Interface)という規格があります。
FMIをうまく活用することで、各ツールで作成されたモデルをつなげてシミュレーションを実現することができます。
コンセプトだけを聞くと夢のような世界が広がりますが、これもツールのサポート状況が異なるために、一筋縄ではいかない、という話を聞いています。
今回のプレゼンテーションでは、FMIにまつわる苦労話は聞けませんでした。
サプライヤーはこの流れに追従できるか?
ツールの多様化とFMIの互換性、という二つの課題に対して、サプライヤーはどのようにメーカーと付き合うべきか、というのは悩ましい問題ではないかな、と感じました。
メーカーの中でも、取引する部署や設計対象によってツールが異なるケースがあります。
このような場合に、サプライヤーはメーカーと同じようにツールを複数用意するのは現実的ではありません。
異なるツール同士でモデル交換をするには、FMIによるモデル交換が必要となりますが、上述の通り、互換性を十分に検証する必要があります。
サプライヤーはメーカーと情報交換をしながら、共同でFMIの互換性を検証していくことが必要になると思われます。
おわりに
イベント後の懇親会では、各発表者を中心に活発な意見交換や交流が行われていました。
今後も定期的に開催されるようなので、楽しみです。