de:code 2015 に参加してきました
やっと順番がまわってきました。はじめまして、 iPX のコクブンと申します。
普段は自社内で主に C# を利用したアプリケーション開発なぞをやっている、 iPX では(実は)珍しいアプリ開発べったりな人です。
……で、そんな人なので Microsoft の de:code は外せないイベントなわけでして、昨年に引き続き万障繰り合わせて参加してきました。
de:code 2015 のテーマ
昨年初開催された de:code は、 "Developers build the Future" を掲げて、主に開発者へ向けた Microsoft の情報提供の場として大いに盛り上がるイベントとなりました。
一方、今年は "TechEd + //build" の名の元に、「インフラ技術者、開発者をはじめ、 IT に携わるすべてのエンジニアのための技術コンファレンス」として開催されました。
もちろん昨年に引き続き開発者へ向けた「マイクロソフトの今とちょっと未来」の情報提供も然る事ながら、 ITPro やアーキテクト向けの「マイクロソフトのプロダクトをどう利用していくべきか」と云った情報の提示も多くあり、非常に有意義な 2 日間であったのではないかと思います。
de:code 2015 総括
今回、特に参加者の関心が高かったと感じたものは、やはり発売を間近に控えた Windows 10 に関する話、 .NET Core や Roslyn, Xamarin 等によるマルチプラットフォーム対応の拡大、そして急速に発展が進む Azure 絡みの話でしょうか。
どのセッションも立ち見が出る程の盛況ぶりを示していました。
コクブン的 de:code 2015
基本的にマイクロソフトのカンファレンスでは、あまり業務に拠った内容に縛られず自分の趣味趣向を中心にセッション受講をする様にしているのですが、今回も趣味全開で受講しました。
(中には力尽きて休憩枠にした時間帯もあったりしましたが。。。)
せっかくなので、受講したセッションの幾つかを記しておきます。
de:code special session ~マイクロソフトが考える 5 年後を見据えた技術提言~
萩原さん・荒井さん・高添さんと云うかなり濃いメンバによるリレーセッションでした。(案の定、話している内容が難しすぎてついていけなかったと云う声もちらほら)
個人的に印象的だったのは、荒井さんが提言していた「プログラミングのパラダイムの変化」です。
物事全体を一つのオブジェクトと捉えるところから、複数のオブジェクトの時間列(ストリーム)と考える様に変化していく。かなり難しい話ですが聞いていてとても腑に落ちました。
Windows 10 アプリ開発解説
セッションとしては Part.1 (基礎編) と Part.2 (応用編)の 2 セッションに分けられていましたが、どちらも両方受講しました。
UWP (Universal Windows Platform) の話からブリッジ(後述)の話まで、かなり興味深い話を幾つも聞く事が出来ました。
兎角、マイクロソフトのカンファレンスに於ける OS 概要紹介セッションでは利用者側に特化した内容に終始してしまいがちなのですが、今回は de:code での紹介と云う事に加えて担当スピーカーが田中達彦さんと云う事もあって、単に機能を紹介するに留まらず、個々のアプリケーションとの連携や開発に関する情報も盛り込まれていたのが非常にためになりました。
Windows 10 アプリデザイン~そのコンセプトと UI/UX デザイン~
Windows 10 でのアプリが UWP になって UI を一元管理する事が出来る様になった訳ですが、それは同時に複数の形状へ対応可能な UI ( Adaptive UI) を意識して構成しなければならなくなったと云う事であり、実際のアプリ開発に於いては大きな懸念事項のひとつになると思われます。
実際、この手の悩みは Android OS や iOS のアプリでも相当議論されている様で、それぞれ期間を経てある程度の着地点は見出せているのでしょうが、 Windows (特に UWP )にとってはまさにこれから直面していく問題ではないかと思います。
そうした中で、 UWP ではどんな点に気をつけるべきなのか、またその課題に対応するためにどの様な手法が用意されているかが紹介されていました。
ASP.NET 5 Web 開発
こちらも 2 枠に渡るセッション。もちろん両方受講しました。
ASP.NET 5 の最大の変更点はやはり .NET Core への対応に伴うマルチプラットフォーム化ではないかと思います。
これまで「 ASP.NET は Windows プラットフォーム (IIS) 専用の技術」だったものが、ついにその呪縛から解き放たれて Linux や iOS の上でも動作する様になる。本当に大きな変革ですよね。
もちろん、今すぐ全ての ASP.NET の機能が Linux や iOS でも利用可能になる、とはいかないでしょう。
しかし、ここ数年の .NET オープンソース化の流れの集大成の様な感じがして、非常に期待を持たせる動きだと思います。
今後も ASP.NET からは目が離せそうにありません。
Windows 10 Mobile のすべて
高橋忍さんの公約セッション、と云う事で、 Windows Phone を追い続けてきた技術者の一人としては参加せざるを得ない期待のセッションでした。
特に、約 4 年ぶりに国内で端末が発売される事もあり、 Windows 10 Mobile についても日本で展開されていく事が期待されますね。(国内の iOS 独り勝ちな現状はなんとか打破しないといけないと思っています)
なお、このセッションの最後に、 //build で突如発表となった UWP ブリッジの実機デモ(今回は "Project Astoria" のみ)が行われました。
//build での発表時もかなりの衝撃を受けましたが、本当にこの技術は恐ろしいです。(特に「 Windows マジック」はキケンな香りがします)
Astoria, Islandwood, Centennial, WestMinister 共に夏頃には更なる情報が出て来る様ですので、要注目ですね。
まだ終わらない de:code 2015 (?)
de:code 2015 の開催は終了しましたが、技術者にとってはむしろここからが本番です。
de:code の中で紹介されたプロダクト・技術に実際に触れて、試して、実践していかなければ、せっかく学んだものも意味をなさなくなってしまいます。
幸いにして、今回 de:code で取り上げられたものは、そのほとんどが今すぐ(ベータ版や Preview のものを含みますが)試す事が可能です。もちろん、イベントに参加出来なかった人でもこれらを試す事が出来ます。是非トライしてみてください。
*1:Windows Insider Program への参加が必要です。
*2:RC (Release Candidate) 版ですが Go Live ライセンス なので通常のアプリケーション開発にも利用可能です。